扇風琴ができるまで#3 トッピングイースト トライアルレジテンス <NICOS LAB>

文:武井 祐介(NICOS LAB メンバー)

Maker Faireで新たな産声!ニコスの新楽器!

こんにちは、NICOS LABメンバーの武井です!
6月から8月の Maker Faire Tokyo 2016(以下 Maker Faire)に向けて取り組んでいた「トッピングイースト トライアルレジデンス」。前回までの記事では「電子楽器のタネ」を元に、メンバーがオリジナル楽器の制作に着手したところまでをご紹介しました。

今回は制作終盤の様子と、Maker Faire当日の様子をご紹介します!

ラストスパートのトライアルレジデンス!

7月23日(土)、24日(日)、NICOS LABメンバーが集まって楽器の制作を行うトライアルレジデンスが行われました。本番直前で作業も大詰め。中さん親子の『ライトファンサイザー』や小学生りょうたくんの『レゴレレサイザー』など、メンバーみんなが各々の楽器を演奏したり、改良したりしながらつくっていきます。

「楽器のタネ」となる電子回路も、前回までのみんなの要望を取り入れて一新しました。新しいニコスのタネになってほしいという思いから、名前も『NICOSeed』と命名!ちょっと専門的な知識が必要な『NICOSeed』をエンジニアが製作し、それを他のメンバーが使って各々のオリジナル楽器を作る、という仕組みもうまく回り始めてきました。

残りのメンバーが取り組んでいたのが、床置き型の扇風機を改造した『扇風琴』(せんぷうきん)。よく見ると、扇風機の羽の代わりに、おかしな円盤が取り付けられていますよね?実はこれがこの楽器のミソ!音楽の理論に基づいた穴の数や形状にデザインすることで、音階を奏でることができるようになっています。前回のレジデンスで様々なタイプの羽を試す中で、和田さんが考案してくれました。メンバーの得意なことがうまく積み重なることで、新しい楽器が生まれた瞬間でした。
このオリジナル円盤を使うことで、こんな演奏ができるようになりました!さらなる応用として、透明なLP盤に特殊な印刷をすることで円盤を製作し、沢山の音階を出すことにも挑戦。こうして、『NICOSeed』から生まれた楽器たちは、Maker Faire当日直前まで進化を続けたのでした。

いざ、Maker Faire!

そして迎えた8月6日(土)、7日(日)Maker Faire、本番当日!我ら「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」のブースに設置したのは、奇怪でカラフルなレコードを内にしてそびえ立つ3台の 『扇風琴』と、その脇でギターのように『扇風琴』を抱える演奏者、そして見たこともない形をしたオリジナル楽器でした。この家電量販店の店頭とは似ても似付かぬ状態に、来場者は興味を持って恐る恐る近づいてきてくれます。そしていざその音を聴くと、みんな驚き、笑みがこぼれます。「すごい!」「なるほど!」「かっこいい!」「どうしてこんなことを思いついたんだ!?」という声に、作った自分達もテンションがあがっていきます。

「これからライブやりまーす!」という声とともに、突如行われたライブパフォーマンス。やはり沢山の方がブースを囲んで見に来てくれました。和田さんとラボメンバーでデザイナーの山本惣一さんや、中学生の中 康輝くんがまるでギターデュオのように即興で演奏すると、これまで単に音を出す装置だった『扇風琴』が楽器としての真価を発揮します。この演奏には作った自分達も驚きでした。
短い制作期間で、荒削りな部分もあったかもしれませんが、その分お客さんたちと一緒に新しい発見をすることができたと思っています。

季節はずれの扇風機?

今回のMaker Faireへの出展をもって、6月からの約一ヵ月半に及ぶトライアルレジデンスは終了しました。個性あふれるNICOS LABメンバーの、多種多様な得意技を集約させることができたからこそ、この短期間でこんなにすばらしい楽器と、お客さんの驚きや笑顔を生み出すことができたのだと思います。
「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」の活動はまだまだ続きます。皆さんの家の扇風機はそろそろ片付けられてしまうかもしれませんが、どこかでニコスの『扇風琴』を見かけた際には、ぜひ一緒に素敵な音楽を奏でましょう!

  • 武井 祐介(NICOS LAB メンバー)

    1985年6月生まれ。エンジニア。高専時代にロボットコンテストに参加して以来、ものづくりの世界にハマる。現在はメーカーに勤務する傍ら、TAK-TEKの屋号で色々なプロジェクトの技術サポートや企画を行っている。動物を見るのがすきで、最近は生き物の形態や習性をものづくりに応用したいと考えている。