2016年5月 トッピングイースト トライアルレジデンス こっそりはじめてました。

文:西村幸知(トッピングイースト事務局)

皆様、こんにちは。
トッピングイーストの西村です。

さて、いきなり、「トッピングイースト トライアルレジデンス」と聞いて、びっくりされた方もいると思いますが、実は、5月からこっそり、拠点がある墨田区本所で活動しておりました。(お知らせしてなくてごめんなさい・・・。)

そもそも、トライアルレジデンスをなんではじめたの?

そもそもトッピングイーストはライブハウスや音楽施設が少ない東東京で、もっとみんなに「音」や「音楽」を楽しんでもらい、「見たり」、「聞いたり」する以上に、もっと自由に「音」や「音楽」に参加してもらうために活動しています。(詳しく知りたい方はABOUTページを見てね)

主に、子供向け音楽プログラム「ほくさい音楽博」にはじまり、古い家電を楽器に変え、あらゆる人を巻き込みながら新たな楽器を創作し、量産し、奏法を編み出し、徐々にオーケストラを形づくっていくプログラム『和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」』、新たな音楽ネットワークプロジェクト、東東京総舞台化計画「BLOOMING EAST」があります。

この3つのプログラムも、そのために様々な角度から活動しています。拠点となっているこの墨田区本所の場も、プログラムが忙しいときはミーティングや練習、実験で「音」や「音楽」にあふれていて、とっても楽しい場所です。

でも、この3つだけしか、この場所にアクセスできないは、ちょっともったいない!!
もっと地域のひとに、墨田区本所のトッピングイーストの拠点を「音」や「音楽」にもっと自由に参加してもらい、楽しんでもらう場所にできないか?ということで、実験的に「トライアルレジデンス」として、この場所を開放し、「音」や「音楽」で様々な試みをしている人に、いろいろ実験や試作を楽しんでもらうことにしました。この「トライアルレジデンス」を通して、ゆくゆくはちゃんとした「レジデンス」として、いろんな人に「音」や「音楽」を楽しんでもらえる場所になればいいなとおもっています。

まだ、はじめたばかりで、事務局のわたしも理事の清宮さんも、使っていただいている方も手探りです(苦笑)
また、ちょっと焦ってはじめてしまったので、みなさんへのお知らせが遅くなってしまって、ごめんなさい。
5月はすでに始まっていますが、6月-7月も、今度は別の方といっしょにやる予定ですので、楽しみにしててくださいね(^-^)

5月のトライアルレジデンスは「廃材で楽器づくり!」

さて、こっそりはじめてしまった5月のトライアルレジデンスですが、
使っていただいるのは「ほくさい音楽博」の廃材楽器づくりでお馴染みのこちらのお二方です。
礒辺綾子さん(左)と水竹康夫さん(右)!

実はお二人様々な場所で、廃材での楽器作りワークショップを行っていて、先日の「両国にぎわい祭り」にも回向院でワークショップをしてもらいました!
「ほくさい音楽博」のときもそうなのですが、これがかなり好評で、みんな夢中になって作って、遊びます。
「にぎわい祭り」のときはアーティストのご協力もいただき、作った楽器で、その場でみんなで演奏したりして、とても楽しかったです!そこで、「こんなに好評なら、もうちょっといろいろ実験してみたい!」ということで、今回お二人に使っていただくことにしました。

とはいうものの、なにからはじめようか・・・
とりあえず、いまある「廃材楽器」の精度を高めてみようということになったのですが、いつの間にか、いろんな穴にいろんなものを被せてみたらどうなるかという、実験になっていました。
夜の10時をすぎて、大人4人が、被せた穴から聞こえる、不思議な「音」たちに大興奮!!
「こんどはこれに被せよう」「あれで、叩いてみたら?」、しまいには叩くという行為が飛躍し、ものを落としてみたり、ラケットのように打ってみたり・・それはそれは楽しい深夜の遊びでした。

そこで、ふと思ったわけです。「精度を高めるということも大事だけど、もっと基本的なことにもどってみたほうが、楽器の可能性がひろがるのでは?」と
ということで、「叩くとどんな音がするのか、どんなものがいい音がするのか、どうするともっと楽しい音になるのか」をいっぱい実験してみよう!となりました。
とはいうものの、大人4人だけでは、やっぱり発想力が乏しく、一夜の実験で、ちょっとネタ切れ・・・
ちょうどそのタイミングで、ほくさい音楽博のミーティングがあり、たまたま来てくれた参加者の小学生に触らせてみると、あっと言う間4つも考えだしてしまいました。恐るべし小学生・・・

また、別の作業日にたまたま、荷物を引き取りにきたスティールパンの原田芳宏さんに触ってもらうと、ご本人、かなりご興味をもっていただけました。そしてただ穴を被せただけの楽器もプロにかかれば、ちゃんとした打楽器に。

そんなこんなで、いろんな人にこの実験をすこし体験してもらったのですが、かなり面白そうということになり、「これはもっとたくさんの人と実験したら、もっと楽しい楽器が生まれるキッカケになるかも」と思い、このたび、6/5(日)13:00~から墨田区本所の拠点で、公開実験会「音と穴の実験室」をすることになりました。詳細は後日NEWSページで公開しますので、お楽しみに。
当日は、プロのアーティストの方など、たくさんの人を交えながら、ありとあらゆる穴や筒に、いろんなものを被せて、いろんなもので叩いたり、落としたりしながら、いっしょに「音」の研究ができたらとおもっています。

まだまだ、はじまったばかりの「トライアルレジデンス」ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 西村 幸知(トッピング―スト 事務局員)

    1986年神戸生まれ。NPO法人トッピングイースト 事務局員。高校卒業後、日中学院にて中国語を専攻。その後数社を経て、中国国際航空入社。趣味のアート好きがこうじて、どうしてもアートプロジェクトの現場で働きたくなり、今に至る。最近ハマってることはトッピングイースト界隈のうまいもの屋発掘。