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【すみだ巡業vol.1】「ほくさい音楽博」体験会 雅楽編フォトレポート

今年の「ほくさい音楽博」は、音楽家とともに子どもたちのもとを訪れる体験会からスタート。「すみだ巡業」と題して、全10回にわたってすみだの各地を巡ります。

第一回目となる今回は、7月5日(水)に立川児童館にて「雅楽」の体験会を実施しました。

雅楽は2023年からスタートした新しいプログラム。
“世界最古のオーケストラ”と称される雅楽は、日本古来の音楽や舞と、大陸から渡ったものが融合し、日本独自の合奏形態として進化を遂げた音楽です。

講師は「江戸最大の八幡さま」として親しまれている富岡八幡宮にて、毎年、奉納演奏を行なっている多度雅楽会の皆さんをお招きしました。

この日の体験会は、近隣の学童や児童館の子どもたちが続々と集まり、延べ90名以上が大集合。ふだん、ほとんど目にする機会がない楽器群に、子どもたちはすでに興味津々の様子。ひさしぶりのにぎやかな雰囲気に、嬉しくもあり、少しほっとした気持ちになりました。

まずは雅楽ってどんな音楽か、多度雅楽会の皆さんによる演奏からスタート。

1演目は、舞楽「迦陵頻(かりょうびん)」。子どもによる代表的な舞のひとつです。
聴いたことない独特な音色と時間の流れ、そして、初めてみたであろう舞に子どもたちは目をまんまるにしていました。

「はじめてみた」「あの楽器やってみたい」という声もちらほら。

1000年以上前からある日本の音楽だよ!と伝えると、驚きの様子でした。なかには「サインもらえるかな?」という予想もしなかったリアクションも。このやりとりも楽しいひととき。

そして、次の演目は「越殿楽(えてんらく)」。演奏を聴いた後には、雅楽独自の楽譜をみながら、みんなで「越殿楽」の拍子をとってみる場面も。

雅楽のことを知るうちに、次第にうずうずしだす子どもたち。
お待ちかねの楽器体験がはじまると、それぞれ気になる楽器のまわりに集まり、音を鳴らし始めます。今回は、弦楽器の箏、琵琶と、打楽器の鞨鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)、楽太鼓(がくだいこ)の体験を実施。どの楽器も大人気でした。
途中、舞の体験も始まり、子どもたちのありあまるエネルギーに、会場も熱を帯びてきます。しかし、楽しい時間はあっという間に終了。お迎えの時間があるからと、名残惜しそうに帰っていく子どもたち。

今回は管楽器(龍笛、篳篥、笙)の体験はなしでしたが、アンケートで「どの楽器が好きか」「やってみたいか」をきいてみると、「笙をやってみたい!」という子がたくさんいました。そして最後に「雅楽をまたやってみたいひと?」と聞くと、たくさんの手があがりました。中には「絶対次も参加したい!」と、すでにやりたい楽器まで教えてくれる子も。

今回の体験会が、子どもたちに一人ひとりにとってどんなものになるか、まだまだわかりません。だからこそ、いろいろな体験の場をつくっていきたい・・・トッピングイーストでは、そんな居場所づくりを音楽で実現していきます!

そして次回は、7月22日(土)スティールパン体験会です。ぜひご期待ください!

●迦陵頻(かりょうびん)とは
子どもによる代表的な舞のひとつです。
背に色鮮やかな鳥の羽をつけ、銅拍子を両手にもって舞いながら打つのは、迦陵頻伽(かりょうびんが)という鳥の鳴き声をまねたもの。

●越殿楽(えてんらく)とは
お正月になると神社やテレビでも聴く雅楽の定番曲!一度は、この曲を耳したことがあるかもしれません。

実施日:2023年7月5日(水)15:30〜16:30
会場:墨田区立 フレンドリープラザ立川児童館[墨田区立川1-5-2]
講師:多度雅楽会